師走を迎え、何かと忙しくも冬空の下 寒椿が美しく。
初氷が張っている様子に、冬が到来したのを実感する次第に御座います。
行く年を惜しみつつ、来る年を指折り数える年の暮れ。
如何なる1年で御座いましたでしょうか。
本日は弊社の提携寺院でもあり、日頃からお世話になっております
西尾市上永良町の妙安寺さんに伺わせて頂きました。
此度は日頃のご挨拶に併せて12月初旬にお願いをしておりました
御朱印を頂戴しに参りました。
12月の御朱印は上記デザインを選ばせて頂きました。
12月を感じられる行事として「正月事始め」が御座います。
12月13日より「煤払い」「松迎え」など正月を迎える準備に取り掛かる日とされております。
元々は旧暦12月8日を事始めと言い正月準備を始めておりましたが、12月13日は婚礼以外の万事に大吉とされる「鬼宿日」にあたることからこの日が選ばれました。
年神様を迎える準備を始めるのに相応しい日とされ、「正月事始め」として定着したとの事で御座います。
昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣がありました。
では、「正月事始め」に触れてみると致しましょう。
正月に年神様を迎えるために、1年の汚れを払い、清めることが「煤払い」です。
竹竿の先に藁を取り付けた煤梵天(すすぼんてん)という道具を使って、高いところの煤を払う。
昔の火種は薪や炭だったので、天井や壁についた煤の汚れを落とすことが重要だったのでしょう。
1年間の汚れを払い隅から隅まで綺麗にすると、年神様が沢山のご利益を持って降りてくると。
12月13日には神社仏閣で煤梵天を使い煤払いをする様子がテレビのニュースで映像として流れる事があるかと思います。
現在の一般家庭では煤がたまる事がなくなったので、実際の煤払いは行われなくなりました。
現代では、年末の大掃除としての名残りでしょうか。
この大掃除の起源は煤払いなのです。
門松にする松やおせちを調理するための薪などを、12月13日に採りに行きました。
これが「松迎え」です。
現代の松迎えとしての風習は殆ど消えてしまってるのかも知れませんが、お歳暮を12月13日頃から贈るのは、お歳暮が正月用のお供物だった事の名残りです。
「煤払い」や「松迎え」が済む事で、年神様やご先祖様を迎える態勢が整います。
そして頃合いにお歳暮として届けるという訳です。
12月13日から少しずつお正月の準備を始めて、28日または30日には全て終わらせる事ができれば、ゆったりとした年末年始を過ごせそうですね。
此度は「正月事始め」について触れた次第に御座います。
もしかしたら、地域による昔ながらの事始めが様々な形として残っているのかも…
何事を始めるにも準備は大切です。
日々を何気なく生きて歳を重ねるよりも、毎年新しい自分に出会うための準備が、この年末にできたら素敵です。
年越しまでは、まだ半月以上の時間がありますので、有意義に時間を使ってみたら良いのではないでしょうか。
街中ではクリスマスツリーが飾られ、イルミネーションが華やぎながらも冬の寒気が身にしみる頃で御座います。
風邪など召されませぬようお体にお気をつけて、良き新年を迎えられます事を心より祈念しております。