天の川が美しい星祭の候。
間も無くの梅雨明けに夏本番の近づきを感じます。
不安定な天候が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は弊社の提携寺院でもあり、日頃からお世話になっております
西尾市上永良町の妙安寺さんに伺わせて頂きました。
此度は日頃のご挨拶に併せて7月初旬にお願いをしておりました
御朱印を頂戴しに参りました。
本日7月7日は七夕でございます。
七夕と言えば、織姫と彦星の悲恋の物語が七夕伝説として知られています。
しかしながら・・・
なぜ二人は引き離されてしまったのでしょう。
なぜ1年に1度だけ会えるのでしょう。
七夕伝説は知っていても物語を説明できる人は少ないのかも知れません。
そこで、此度は七夕伝説の物語に触れてみたく存じます。
諸説言い伝えがある様でございますが・・・
物語は中国から伝わったといわれています。
織姫と彦星を引き合わせたのは織姫の父親である天帝(天上の最高神)でした。
天帝が娘の結婚相手として青年・彦星を連れてきたところから始まります。
天空の世界を舞台に語られる織姫と彦星の悲しい恋物語。
登場人物は3人です。
織姫:美しい娘、機織りの名人で神々の衣を作っている働き者。
彦星:真面目な青年、牛追いを生業としたしっかり者。
天帝:天上の最高神、織姫の父。
『真面目すぎる娘の将来が心配…』
織姫は神様たちの衣を織る仕事を任されていました。
織姫の織る布は大変美しく、5色に光り輝き季節によって色が変わるという素晴らしいものでした。
真面目で日夜機織りに励む織姫でしたが、あまりに熱心で自分の身なりも構わず、遊びに行くこともありません。
父である天帝は気の毒に思い、また娘の幸せを願って良き伴侶を探し始めます。
『織姫と彦星が出会って恋に…』
そこで見つけたのが牛追いを生業とする彦星です。
この勤勉な青年ならばきっと娘を幸せにしてくれると、そう考えた天帝は二人を引き合わせます。
二人はすぐに恋に落ち、愛でたく夫婦となります。
彦星は織姫の住んでいた天の川の西側に移り住み、仲睦まじく暮らし始めます。
『織姫と彦星が仕事を怠けるようになり…』
織姫と彦星は結婚してさらに惹かれ合うようになります。
ところが、二人は楽しさ故に遊んでばかりで次第に仕事が疎かになっていきました。
織姫が機織りを怠けるので新しい着物は作られず、神々の着物はボロボロになっていきます。
彦星も牛の世話を怠り、牛は痩せ細りついには病気になってしまいました。
この堕落ぶりに激怒した天帝は、織姫と彦星を天の川を挟んで東と西に引き離してしまいます。
ふたりはお互いの姿を見ることすらできなくなってしまいました。
『ふたりは7月7日だけ会うことを許される』
広い天の川の両岸に離れ離れになり、織姫は寂しさのあまり泣いて暮らすようになります。
悲しむばかりの織姫をあまりに不憫に思った天帝は、以前のように真面目に働くのであれば年に1度だけ彦星と会うことを許します。
それが7月7日の七夕です。
織姫と彦星は心を入れ替え、七夕の日を楽しみにしながら二人が出会う前にも増して熱心に働くようになりました。
七夕伝説は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんね。
厳しい側面のあるお話ですが、だからこそ胸に残るストーリーでもあります。
人には誰でも役割があり、楽しいからといって怠けてばかりではいけない事、また遠くにいる人とたまに会える機会を大切にする事など、物語を通して子供にも教えてあげたいですね。
実は七夕伝説は子どもに伝えたい教訓の詰まった物語でした。
七夕伝説の登場人物は、みんなそれぞれ人間らしさに溢れています。
子供の時は、織姫と彦星のことをかわいそうだと感じた方が多かったかもしれません。
親になって振り返ると、父である天帝の気持ちも少しわかるような気もします。
リアルに感じられる点もある話だからこそ読み取れる、学ぶべき教訓がたくさんあります。
今年の七夕は織姫星と彦星を探しながら、親子でそれぞれ我が身を振り返って考える時間を持ってみても良いかも知れません。
七夕の物語を厳しくも温かい物語として語り継いでいきましょう。
夏の訪れを感じる七夕の夜。
夜空を見上げながら星に祈りを捧げてみるのも良いですね。
彩られた七夕飾りに思いを馳せながら、どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。